本書は、作者が世界をまわって日本のまんがの書き方を伝授した経験をふまえ、日本の漫画の歴史や、ストーリーからコマ割りの構造をロジカルに分析して解説した本です。

図書館で借りたので、返却するまえに気になったところを記録しておきます。たぶんきっと、あとで知りたくなるところを。個人的な箇条書きの備忘録なので、詳細が気になる人は本を読んでください。

「映画的な漫画」とは

1コマを映画の1カットとしてつくる
それを映画のようにモンタージュ(編集・つなぎ合わせ)する

カットの要素

ブロッキングサイズ:シーナリー(風景)、ロングショット(遠景)、フルショット(全身)、ニーショット(膝上)、ウエストショット(腰上)、アップ(バストショット、アップショット、ビックアップショット、パーツショット)←アップにもバリエーションがある
カメラアングル:ハイアングル(俯瞰)、アイレベル、ローアングル(アオリ)
カメラワーク:パン(左右の動き)、ティルト(上下の移動)
画面構成:背景や人物の配置
その他:照明、コントラスト、色彩、レンズ歪み

コマの変形の目的

時間進行のコントロールを目的とした変形
カメラワークを暗示する変形
コマの重要度に基づく変形

8フェイジズ

1)リーズン:読者を作品世界に没入させる部分。
2)セットアップ:主人公を軸に、主要キャラの人間関係(もつれ、ズレなど)を示す。
3)アドボックパラダイム:キャラクターの具体的な関係がはっきり示される前半の山場。ここまでに読者を引き込む!
4)サグ:前の山場を経て平穏に戻る。叙事的な描写が多いが次のシーンに繋がる破綻や危険の予兆も盛り込む。
5)デッドセンター:主人公の状況が急転直下。物語の目的や主題に応じた「どん底」の状況。
6)ダッシュアップ:どん底から一気に状況を好転させる。ハイスピード。
7)クライマックス:複雑化した物語が一気に収斂。見開きで魅せるシーン。
8)ニュービギニング:すべてが終わり、次のステージへ…。

読者を引き込む方法

スニークイン:ゆっくりと物語世界へ読者をいざなう
タブーブレイク:いきなり引っ張り込む

見開きコマ割りの基本

見開きで起承転結を展開する
右上:「つかみ」もしくは前頁からの「受け」
右下:中くらいの「決めゴマ」
左上:最重要コマ、決めゴマ
左下:「引き」「めくり」

キャラクター

読者の心を代入する依り代としてのキャラクター

ヒーローズ・ジャーニー

1)日常の世界:読者の共感を得る。
2)冒険へのいざない:読者の興味を誘う。ここまでをシーン1とし、主人公と主要キャラの属性をあらかた説明する。
3)冒険への拒絶
4)賢者との出会い:物語のナビゲーター
5)第一関門突破
6)仲間、敵対者、テスト:主人公の成長に重要なファクター
7)最も危険な場所への旅:物語の終わりのはじまり。
8)最大の試練
9)報酬:物理的報酬。新たな仲間、価値観。主人公の成長。
10)帰路
11)再生
12)帰還

「何を」描くか

題材、ネタ、アイデアには教養が必要。
専門分野の知識、それを習得するときに付随的に身についた調査の仕方、掘り下げ方、体系立てのノウハウ。
作者の「思想」「人生観」。

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