私は昨年から漫画家と自称しているにもかかわらず、「そもそも漫画家って何なんですか?」というひどい認識なので、整理してみたいと思います。

その前に「漫画」の定義なんですが、「平面をコマで割って、その中に絵や文字を入れて話が進むやつ」というざっくりしたイメージで話を進めます。

① 漫画を書いているが公表していない

これを漫画家と呼ぶと、小学生が自由帳に漫画を書いても漫画家になってしまう。
※例外として、「誰にも公表せず漫画を書き続けていた人物の死後、作品が発見され、評価された」というのは、漫画家になるかもしれない。⑦の「元漫画家」と通じるものがあるかも。

② 漫画を書いて公表している

ネットがなかった時代は⑤であり⑥である人のみの特権だったけど、今や誰でもtwitrerやpixivで手軽に全世界に公開できる時代。小学生が自由帳に書いた漫画だって発信できる。

③ 漫画を書いて公表して、対価をもらっている

電子書籍やnote、pixiv、ファンコミュニティで、あるいは同人誌を販売して、PR漫画を書いて、漫画を提供する対価としてお金やその他ごほうびをもらっている人。つまり、読者に対価を払ってもらえるだけの価値のある漫画を提供している。対価の額はお小遣い程度も含む。

④ 漫画を書いて公表して、最低賃金以上の対価をもらっている

漫画で生計を立てている人。⑤の人だけではなく、個人で電子書籍を出版したり、自費で冊子を作って販売したりというのも含む。それくらいの収入があれば必然的に⑥でもある。

⑤ 漫画出版社となんらかの契約を締結している

商業誌で漫画を出してる人。自分の作品が街の本屋さんに並ぶ。一般的にはこういう人を漫画家と呼ぶし、昔はそれでよかった。
売れなければ、⑤でも④を満たさない。

⑥ 税務署に「漫画家」として開業届を出している

公的に漫画家と宣言している。青色申告をしている個人事業主。基本的に④とか⑤の人がこれなんだけど、たまに⑦な人もいる。

⑦ 名刺(あるいは何らかの肩書を表す場所)に「漫画家」と書いている

中身はどうあれ、自称している人。「元漫画家」という言葉はあまり使われないので、「昔は漫画を書いていていたが今は書いていない人」も含まれるかもしれない。

個人的には③かつ⑦かなと思います

漫画産業というマーケットは、いまや出版社だけのものではなくなりました。どんな量でもクオリティでも、どんな形態でも販路でも、読者の元に届いてその価値を認められれば、その漫画はマーケットの構成員になり得ます。その中で「漫画を製造している」役を担うのが漫画家なのではと思います。ただ、本人が「私は漫画家じゃない」と言うなら、その意見は尊重されるべきかも。

とはいえ、⑤で、かつ単行本が本屋に並んでこそ「真の漫画家」といえる、みたいな風潮はまだ残っているような気もします。世間一般(漫画業界の外)の認識はまだこれでしょうし、私の中にもまだあります(中年で価値観が古い)。

私個人はもともと③だったのを⑥にしてから漫画家を名乗りました

私はインターネット黎明期の20年前から世界に自作漫画を発信していましたし、即売会で同人誌を販売していました。それを考えれば20年前から③で、漫画家でした。

でも、勤めていた会社が副業禁止だったので、脱サラして⑥をしてから自称することにしたのでした。

そして上述の通り価値観が古いので、③をしながら未だに⑤を目指しています。この方向性をどうするかは今後の課題です。

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