私は去年から(兼業)漫画家を名乗ることにしました。
(詳しくは「漫画家って何なんですか?」をご覧ください)

漫画家=漫画制作事業の事業主としては、事業を始める際に事業検討をしなければなりません。辛いけれどそれをしないと事業主ではないのです。

事業検討には、多岐にわたり検討項目がありますが、今回は最初に行う環境分析をやってみたいと思います!

参考情報

昨今の漫画産業は、かつてのように一部の出版社が独占してはおらず、群雄割拠というか玉石混交というか、とにかく複雑です。
しかも私はまだ業界内にいないので、ネットで親切に教えてくれる業界人の言葉を信じるしかありません。今回はこの辺りの記事を参考にさせていただきました。

令和時代の漫画家たちはどう生きるか
商業漫画家になる意味ってある?
で、結局どうやったら漫画家になれるんスか?

まずは漫画家の目的を定義する

分析の前にまず、漫画家の目的を定義します。

漫画家の目的は、漫画を読者に提供して、
読者から「読む時間」と「対価」をより多くいただくこと

そして、この目的を助けるものは味方(たとえ気に入らない奴でも)、阻むものは敵(たとえ仲が良い相手でも、助け合っていても)ということにして、環境分析をしてみたいと思います。

読者は味方(顧客)

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作品に対価を払ってくれて、読む時間を割いてくれる、それが読者。読者は常に作者の味方です。たとえクレーマーでも、ストーカーでも、上記の定義では味方です。(この手荒な定義から「お客様は神様です」の言葉が生まれてるのかも)

読者の読む時間とお金を奪う敵(外部環境分析)

読者の持っている時間とお金は有限です。とても貴重なこの時間とお金を狙っているのは自分だけではありません。

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不景気・災害・戦争
全ての産業の敵!人々が使えるお金の総額が減る、恐ろしい敵です。covid-19がまさにこれ。が、これはもう個人ではどうすることもできません。
とりあえず私は増税にはいつも大反対しています。

娯楽時間を奪う要素
私は子供が生まれてから数年間、本も漫画もほとんど読まない時期がありました。妹は仕事が多忙で余暇は寝てるしかできないと言っていました。こんな状況は、仕方ないとはいえ、とりあえず娯楽産業全体にとって敵です。

他の娯楽
例えば自分が余暇に何をしているかと言ったら、twitterを見たりぼんやりネットサーフィンしたり、漫画を書いたり。長い休みなら海外旅行に行きたいです。うちの子供はYoutubeをみたりスマホゲームをしたり、Suitchをやってますね。…漫画…漫画はいつ読むんだ?
これらみんな、読者から自分の作品を読む時間を奪う敵です。

他の面白い漫画
たとえ、毎日10冊漫画を読むような殊勝な人がいたとしても、その10冊の中に自分の作品が入っているでしょうか??
出版産業は斜陽と言われていますが、絶対的な漫画の作品数や作家の数は増大の一途をたどっているといいます。アクセス容易な場所に無料や安価で面白い漫画が転がっている昨今。こんなん絶対それ見るじゃん。
ということで、商業だろうが同人だろうが、他の面白い漫画は全員敵です。

こんな感じで、もう周りは敵だらけ!!
でもどの産業も業界もそんなものですよね。

法規制(外部環境分析)

それから、著作権や表現の自由にかかわる法律、契約や労働にかかわる法律、税制改正などは、作者の方に影響する要因なのですがダメージが大きい外部要因の一つです。これも敵なのかなあ。

漫画家は経営者としての自覚がなくて隙だらけのカモなので、搾取や詐欺や横領に遭いやすいらしいです。また、商品が情報ということもあり、パクリや海賊版などの問題も常にはらんでいます。
このあたりの見えざる敵というか、闇に、ちょっとびびってます。

自分の作品を読者に届けてくれる人は敵か味方か?(内部環境分析)

たとえば自分が1冊500円の本を提供するとき。
・読者は自分の目の前にいて、完成したら気づいてくれる
・自分は魔法のように漫画本を発生させて、すぐに読者に渡せる
・読んだらその場で手渡しで現金を払ってくれる
という状況なら、読者がくれた500円全額が自分の手元に入ります。

でもそんな状況はあり得ません。

調達・製造
1冊分の生原稿を1冊の本に仕立てるために、編集者、デザイナーが印刷できる状態に仕立て上げ、印刷会社で本を刷って製本して加工して、ようやく出来上がります。

広告
その本が存在することを、どんなに面白いかを、読者が「買おう」と思うまで四方八方から訴えかける広告宣伝がなければ、存在に気付いてもらえないし、面白いと思ってもらえません。最近「鬼滅の刃」がヒットした話が各所で盛り上がっていますが、広告効果についてもよく言及されています。

物流
そして読者が買いたいと思ってくれたときに、なるべくストレスのない方法で本が手に入り、お金を支払えるような、そして支払われたお金は滞りなく作者に送られるような、細やか且つ確実な流通や決済サービスが必要です。

電子書籍なら、印刷や流通は省かれるけど、電子書籍というサービスに載せるための別の作業が発生します。

全部ひとりではできないので、他の人に手伝ってもらうわけですが、タダでというわけにはいきません。読者の払った500円は、協力者にどんどん抜かれて手元に残るのは一体いくらなのでしょう?

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ということで、協力者で味方なんだけど…500円の中身を奪っていくという意味では敵かもしれません。

ここで「商業誌か同人誌か」「電子か紙か」「自前か外注か」という細かい検討が発生するのですが、力尽きたので、別途ビジネスモデルのところで詳しく検討したいです。

一番の敵は自分かもしれない(商品・サービス)

なんだかんだ内外の敵を並べたてましたが、ぶっちゃけ作品が面白ければ売れるし、面白くなければ売れません。
読者が思う価値より安ければ手に取りやすいし、高ければ買いません。

価値ある商品(=面白い作品)を作る。まずはそれがないと始まりません。


かなり手荒な「敵(リスク・コスト)」「味方(顧客)」の定義で、ざっくり環境分析をしてみました。業界のことをよく知らないので間違っているかもしれません。もしこれを読んでいる方で業界に詳しい方がいたら、いろいろ教えてください。

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