漫画家は個人事業主なので正しくは「営業活動」なんですが、商業誌への営業は、所属雑誌が一本に絞られていくところが「就職活動」っぽいですよね。

凡人内定完全マニュアル』を読んでいてそう感じました。

上記の本は、さしてアピールポイントもない凡人学生が就職活動でいかに多くの内定をもらうか、ということを解説した就活ノウハウ本です。下品で余計な感じの、作者の「モテ」に関する異常な執着描写を除けばとてもいい本で、就活生にオススメです。

で、私は「商業誌で漫画を書く」ことを検討しているので、この本で焦点となっている「内定」を「担当獲得」などに置き換えて読んでみました。

置き換えワード
就活 ⇒ 持ち込み・投稿
内定 ⇒ 担当獲得
就活生 ⇒ 漫画家志望者
自己PR ⇒ オリジナリティ
人事・面接官 ⇒ 編集者・審査員
エントリーシート ⇒ 原稿


以下、漫画家に置き換えた本の要約です。

心構え
持ち込み・投稿中に手に入る武器は担当獲得であり、目指すは複数担当獲得。周囲の漫画家志望者に差をつけるための努力は最低条件と考えろ。
運だ縁だと考えても仕方ないことをガタガタ言っている暇があったら一社でも多く受けんかい!

自分に合うジャンル・雑誌決め
自分に合うジャンルや雑誌に悩む時間があるなら、興味外にある企業の出張編集部や漫画賞に参加or応募すること。そのほうが、よっぽど得るものは多い。

オリジナリティ
凡人漫画家志望者のオリジナリティのネタ(素材)は人間性でしかない。人間性オリジナリティで編集者や審査員に気に入ってもらえるかが、勝負の鍵。
人間性オリジナリティは、「生活領域を絞る→できる限り細かく行動を挙げる→共通点を探る→行為の理由を考える」だけでできる最強ツール。

出版社研究
原稿料や印税などの出版社が自分に与えてくれるメリットに心奪われるのはわかるが、ひとまずは複数担当を確保すること。
イベントの出張編集部に参加しまくることで応用の利く情報を効率よく仕入れることができる。
大手ではない出版社や雑誌に対する研究に基づいた肉食系アプローチは通常よりも強い効果を発揮する。
IR情報、出版社の採用ページなど、持ち込み規定や漫画賞の募集要項外で仕入れた情報を持ち込みの際にぶつけていくのが、パソコンを使った出版社研究で差をつける場合の基本。


持ち込み・投稿にまつわる噂は、あくまでも噂。変に信じすぎたり、気にしすぎたりすると、逆に担当獲得を遠ざける。

原稿
人間性オリジナリティを書き写すようなプロットで原稿を量産し、担当がついたら口頭で内容を濃くしていく。
人と同じように書いた原稿は高確率で撃沈する。人間性をメインにして、唯一無二の原稿を作る。

持ち込み・担当者(候補)との面接
持ち込みに強いのは『イイ人』、つまり『愛嬌のある人』。
過去や現在の話で終わらせるな。必ず立場をわきまえたうえで未来のエッセンスを加えて話すこと。
持ち込みでは熱意を見れることがある。比較対象を出したり、応答にひねりを加えるなど、できるだけ高い信憑性で受け取ってもらえるために自分の決め台詞を考えておくこと。

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ね。なんか、それっぽく読めますよね?

グループディスカッションや筆記試験の項目は省きましたが、時事問題などは昨今のトレンドや読者の興味などと通じるものがありそうです。

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ただ、やっぱり漫画家は個人事業主で、出版社の社員にはなれません。

そして就活生は内定獲得後、1年もたたずに就職できるか否かがわかるけど、漫画家は万年担当者獲得止まりということも十分にあり得ます。

さらに、晴れて「連載獲得」「単行本出版」までこぎつけても原稿料や印税がブラックだったりすることもあるかもしれません。でもこれは普通の就活生も、就職してみたらブラックだったということが多々ありますので、似たようなものでしょうか。ある日突然打ち切りになったり絶版になったりするのは、海外の雇用状況と似ていますね。

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とりあえずこの本に従って、持ち込み・投稿をがんがんやろう!と思った人のために、便利なサイトをはっておきますね。

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