企業サイトの会社情報なんかにいくと必ずある「企業理念」や「経営理念」。会社だけではなく個人でも、設定すると仕事への姿勢や芯がブレなくなるので良いんだそうです。

経営理念は「その仕事を通してあなたは世の中に何を成したいの?」という問いへの答えです。

答えられます?

私は答えられなかったので、考えてみることにしました。

ささきさの事業の現状

私は雑貨屋兼画家(漫画家)なので、私という個人の下に雑貨事業と画業がぶら下がる形になっています。

昨年4月の開業当時は雑貨事業(ルーチカ)がほぼすべてを占めていて、画業(漫画&水彩画)はその雑貨事業の広告宣伝の中に入っていました。しかし、ここ一年で紆余曲折あり漫画事業の独立を検討することになりました。

単独事業の時は事業目的≒経営理念でしたが、事業が二つになったら目的も二つになります。それをそのまま並列して経営理念にしたら、船頭が二人いる感じになってブレてしまいます。

そんなわけで、包括する経営理念を考えてみます。

雑貨事業

雑貨ブランドのルーチカは「君のポケットに、君だけの博物学を」というコンセプト。

主に20~40代の、理科に淡い興味を持つ人たちを対象に、それぞれの生活スタイルを崩すことなく、自然科学の美しさに触れ好奇心を満たすアイテムを提供するのが目的です。

漫画事業

対してオリジナル漫画のほうは、これまでずっと気の向くままに制作してきたため、ジャンルもターゲットもまだありません。コミティアではジャンル難民になっていました。

これは趣味ならいいのですが、事業では問題です。

ジャンルやテイストが決まっていないと作家像がぶれますし、ターゲットが決まっていないとファン層を渡り歩くことになり、ファンにも失礼ですし、顧客獲得という意味でも悪手です。

ただ、私の趣向は偏っているので、気の向くままに制作したところでジャンルは限定されているんですよね。過去作品を見たら一目瞭然です。それを明確にして、自分の方向を固めればいいわけです。

ジャンルは一目瞭然な「理科(雰囲気だけのものやSFも含む)」。
ターゲットは、若干実験的なところがありますが10~20代の女子寄り。

とりあえずこれに仮決めして、後日じっくり練り直します。

二つの事業を包括する経営理念

経営理念は社会的な存在意義を宣言するようなものなので、自己肯定感が低いと、この作業、なかなかにきついです。しかもすっきり一言で示す必要がありますので「あーだこーだ(語彙力)」は禁止です。辛いです。歯を食いしばって考えたいと思います。

幸いすでに事業は動いていて内容もほぼ固まっています。縛りがあると、むしろ難易度は下がります。

両事業に共通するキーワード・コンセプト

いきなり一言で表すのは無理なので、こんな雑貨や漫画を、こういう人に届けて、こうなってもらいたい…という漠然とした思いを浮かぶままに列挙します。

こんな雑貨や漫画(商品)
・題材は理科、自然科学、工学、SF
・美しいもの、機能美
・所有欲が満たされるもの
・リアリティのあるもの(写実的な描写というより、リアルを感じられるもの)

こういう人(ターゲット)
・科学が専門分野というより、憧れを持つ他分野の人
・ユニセックス(若干女性寄り)
・20代が中心(「心は20代」も含む)

こうなってほしい(効果)
・ターゲットの既存の価値観を変えるものではない
・すでに心の中に持っているものを美しく楽しく響かせる
・心の中のまだ形なっていない憧れを、形にして提供する
・理科・科学に対する劣等感(難しくて理解でないという状況)を受け入れ、克服しないままに満喫させる

まとめ

題材は科学なんだけど、ターゲットは科学の専門外で、むしろ苦手意識を持っている人。でもきっと心の中には科学へのあこがれがある。科学にロマンを求めている。そんな人たちの科学への苦手意識を否定することなく、しかも克服を強要することもなく、ただその美しさやロマンに触れてもらえるような…でも内容はガチ…みたいなものを提供して、心の隙間や憧れを満たしてもらいたいです。(その先、科学に興味を持ってくれればもちろん嬉しいけど、ささきさの商品はそこまでは目的にしません。心の中に種だけ植えて、芽が出るかはお任せです。)
それを、文具雑貨の本来の機能を失わず(むしろ高機能)、漫画ならではの楽しさを失わず(苦手なキャラの深堀を克服します!)、提供したいです。

おお…固まってきたんじゃないでしょうか…。

一言で!

ではいきましょう!

「理科が苦手だった人に、苦手なまま楽しんでもらいたい」

うーん、苦手苦手とネガティブな言葉が並ぶのは良くないなあ。

「暮らしのなかで、自然科学の魅力を感じてもらいたい」

シンプルだけど、ありきたりになってしまいました。なんか造語的なものが欲しいです(中二病)。でもここで意味不明なカタカナは導入したくないです。イノベーションとかさぁ。嫌いです。自然科学をサイエンスにするのも…ん…それはいける?

「暮らしのなかで、サイエンスの魅力を感じてもらいたい」

……なんか意識高い系の香りがする…。

「暮らしのなかで、あなたの心に好奇心の種をまく」

ゴロはいいけど理科がなくなっちゃった。

「暮らしのなかで自然科学の美や好奇心に触れてもらいたい」

これかなあ。ほぼほぼルーチカのコンセプトなんだけど…「暮らし」とか「日常」を入れると生活雑貨にフォーカスしてしまう印象がありますね。

「暮らしのなかで、物語のなかで、自然科学の美や好奇心に触れてもらいたい」

いいかも。でもターゲットが入ってないな。

「理科が苦手な人にも、暮らしのなかで、物語のなかで、自然科学の美や好奇心に触れてもらいたい」

「暮らしのなかで、物語のなかで、理科が苦手な人にも染み込む、自然科学の魅力を提供したい」

やっぱり「苦手」はいけないかなあ。でも対象を「文系」というくくりにもしたくない。
苦手な人も…というのは、言い換えれば「何の苦労もなく」「自然と」ということだから、「息をするように」を入れてみたらどうだろう。

「暮らしのなかで、物語のなかで、息をするように自然科学の美や好奇心に触れてもらいたい」

おお、いい感じです。しかし後半がたくさん詰め込まれた感じがしますね。「息をするように」は独立させて体言止めにしてみましょう。

「暮らしのなかで、物語のなかで、自然科学の美や好奇心に触れてもらいたい。息をするように。」

よしこれに決めた!

「暮らしのなかで、物語のなかで、自然科学の美や好奇心に触れてもらいたい。息をするように。」

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